2011年1月17日月曜日

樫本大進さんと”シネ響” 2/2




(続き)

21時過開演で23時過ぎには終っていた。
夕食を済ませてカフェで寛いでからゆっくり劇場へ行けるのは良いけれど、女性一人だとちょっと心細い時間帯で場所かもしれない…。

実測観客数23人。ついでに目視で分布を採取。
観客のピークは30代女性。ポップコーンやLサイズのソフトドリンク2本を座席のカップホルダーに忍ばせて悠々鑑賞する手慣れた30代男性は静かな猛者に見えた。

面白かったのはトランペット奏者氏の楽器に付いていたチューニグメータ。
バンド系のギタリスト氏がクリップで留めている小さなあれ。
実像に対して常に数十倍でクローズアップされるスクリーンは圧巻。
何の弦を使っているとか指使いがどうか?とか、音楽の手段のこともよくわかる。
口紅の色やネクタイの歪みといった音楽以外のことも丸わかり。笑

ここでヴィオラジョーク。

お葬式後に本番を迎えた管楽器奏者K氏。本番で使う白ネクタイをうっかり忘れてきたが、少しも慌てず葬儀用黒ネクタイを蝶々に結びステージへ。遠目には黒のボウタイにしか見えなかったというが、この巨大スクリーンではバレてしまうアップ具合。

でも音楽を楽しむ聴衆の表情や、会場になったオックスフォード大学のシェルドニアン劇場天井にあるルーベンスの美しい絵はスクリーン鑑賞者の心を和ます。

樫本さんのコンサートマスター振りを観て安永さんが座っていた頃をちょっと思い出した。やはり人にはそれぞれにお役目があります。

スピーカーから流れる音像は決して実演サイズではなく、この日を通してオーケストラ演奏に興味を持った人がホンモノを聴く機会を得るとしたら、場合によってはホンモノにがっかりするかもしれない。甲子園球場外野席から内野手の動きを見る「リアルな小ささ」もホンモノですから。

劇場に立派に豪華に流れる5.1chの音。
しかし、私には「音場創生」と「音場再生」の言葉が耳裏に響いてきます。
今は仕方ないのでしょうが…。
それと隣の空間でやっている映画の低い効果音が、ときどき壁を通して響いていた気が…

上映前のトレーラー(予告編)ではL.Maazel(マゼール)さんがNew York Philharmonic(ニューヨークフィル)と共に平壌で演奏してきた「新世界」が流れた。この映像はいち早くBDという形式で市場に出回ったが扱うのが難しかったことを思い出す。

課題はあるでしょう。
だからこそ成功して欲しい試みです。

シネ響の公式URL:http://www.cinekyo.jp/

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