2011年2月5日土曜日
ロベルト・シューマン:ゲノフェーファ
あるピアニスト先生からR.Schumann(ロベルト・シューマン)の珍しいオペラ(Genoveva)があるから観に行かない?とお誘いを受けたので新国立劇場へ。
「珍しいオペラ」といえば東京室内歌劇場さん。本日は同歌劇場42期第129回定期公演でした(中劇場にて)。この珍しい作品は2006年に芸大オーケストラが演奏会形式で取り上げていますが、今回は「日本舞台初演」。尚、昨夜の公演では皇太子さまもご臨席されたとのことです。
批評は林田さん始め多数の方が書かれているので、今更私の出る幕はありませんが、シューマンの音楽を聴くとき、私は妻・Clara Schumann(クララ・シューマン)はどう感じ取っていたのだろう?逆にロベルトはどうように聴かせたかったのだろう?…みたいなことを考えてしまう「悪しき習慣」があります。クララがこの「オペラ」をちゃんとピアノ版として仕立て上げているので、仔細に見れば何かが分かってくるかも知れません(ピアニスト先生に食事しながら見せてもらいました)。
当日のプログラムにあった佐藤英さんの秀逸な解説には、
「このオペラの主要な登場人物たちが、善とも悪とも明確に定めがたい要素を秘めていることに気付かされる。こうした作風の台本は、19世紀の聴衆には歓迎されなかったかもしれない。」
とありました。
「オペラ」という枠組みで鑑賞するならば「筋読み」に見合った展開が不十分かと。演出は、ですから饒舌にならざるを得ない側面があったのかな?とも。とにかく説明を積み重ねて言語表現(台本)を試みることを、どこかで放棄したような印象を受けます。「歌芝居付き交響詩」のような感覚なら楽しめるかも?という妙な気分に陥りました。
そうそう和田さんのジークフリートは素晴らしく前川さんのゲノフェーファも大変良かったです。
管弦楽は…。1850年初演時はこんな感じかな?と思い巡らせながら聴きましたが、ともかく、今回の公演に携わった皆さまには貴重な機会を頂きました。有難うございます。
その後、オペラシティ内で見つけた格安レストランで食事。
「万歳ジークフリート!」
「万歳ゲノフェーファ!」
と同行編集女史も一緒に乾杯して帰途につきました。
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