2011年1月23日日曜日

Shirley Brill クラリネット・リサイタル



才色兼備なクラリネット奏者、Shirley Brill (S.ブリル)さんのリサイタルはとても充実していた。


プログラムは、

Francis Poulenc (F.プーランク)1890-1963:クラリネット・ソナタ
吉松隆(Takashi Yoshimatsu)1953-:鳥の形をした4つの小品 作品18
Robert Schumann (R.シューマン)1810-1856:3つの幻想小品集 作品73

***

Claude Debussy(C.ドビュッシー)1862-1918:クラリネットとピアノのための第1狂詩曲
Johannes Brahms(J.ブラームス)1833-1897:クラリネットとピアノのためのソナタ第1番へ短調作品120-1

それとピアニストも!
彼を忘れてはならない!
Jonathan Aner(J.アーナー)さん!


私は所用で後半のみを聴いたが、ただ有難うと言いたくなるようなリサイタルだった。テンポが、技巧が、音色が、楽器が、楽譜が、フレージングが、アーティキュレーションが…と、つい私が使いたくなる言葉の類は、このリサイタルでは無用ではないかとさえ感じた。


晩年のブラームスが創った「ソナタ」という小さな宇宙に鋭角的に入っていく清々しさ!まるで綺麗に流れるせせらぎに素足に浸すような楽しさ!身体的な快感!
「オカルト時代」のドビュッシーが作曲した第1狂詩曲は、さながら「ドビュッシー式音楽魔術学校・第1次試験」の体裁。怪しい秘薬満載の音楽を楽々一発合格。毒気なんぞ吹き飛ぶ痛快さ!


アンコールは2作品。
Germaine Tailleferre(G.タイユフェル)1892-1983:アラベスク
Gabriel Pierné(G.ピエルネ)1863-1937:セレナーデ


2010.1.20(木)
代々木上原のMUSICASA

・・・・

尚、Brillさんは、イスラエル生まれ。クラリネットをイツァーク・カトザップに学び、ドイツのリューベック音楽院、ボストンのニューイングランド音楽院へ留学、ザビーネ・マイヤーやリチャード・ストルツマンに師事。2006年マルクノイキルヒェン国際コンクール第1位、2007年ジュネーヴ国際コンクール1位なし第2位各受賞。ズービン・メータ指揮イスラエル・フィルとの共演を皮切りに、マンハイム室内管弦楽団、ジュネーヴ室内管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団等著名オーケストラと共演を重ね、2009年ダニエル・バレンボイム指揮するウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団のメンバーに抜擢されて注目を集めた。すでに、ニューヨークのカーネギーホールやボンのベートーヴェンハウス等一流会場で多くのコンサートに出演しており、シュレスヴィッヒ=ホルシュタイン音楽祭、リュブリャーナ音楽祭、ダボス音楽祭、モンペリエのフランス放送音楽祭等国際的なフェスティバルへも招聘されている。新世代のもっとも優れたクラリネット奏者として評価が高く、近年は、マスタークラス等教育分野での活躍も顕著である。2008年パンクラシックスからデビューCDを発表して絶賛を博した。ドイツ在住…という経歴。

公開クリニック&ミニコンサートもあるそうです。ご興味のある方はどうぞ。

2011年1月24日(月)18:30開場19:00開始
石森管楽器さんの地下イベントホール
詳細はこちらから http://www.ishimori-co.com/

ニューイングランド音楽院ということは菊池君と同じだな…

2 件のコメント:

  1. ヒデキヨさん、こんばんは。

    シャーリー・ブリルさん、お名前初めて知りました。留学先でそうそうたる方々に師事しておられ、それだけで凄いのだろうと想像がつきます。演奏会もとてもよかったようですね。プログラム、豪華!ブラームスのクラリネットソナタ、大好きです。ブラームスの世界~☆ドビュッシーは、よくぞこの曲を書いてくださった!という感じです。本当「怪しい秘薬満載の音楽」ですね(笑)。シャーリー・ブリルさんインプットしましたよ!

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  2. 音楽っ子さん

    >ブラームスのクラリネットソナタ、大好きです。

    おお!素晴らしい趣味センスですね
    ブラームスって晩年あんな髭面で渋面なのに
    音楽も確かに枯れてきてはいるんだけど
    どこか「青年」のままなんですよね

    演奏者がうまく嵌れば良い音楽が再現~!

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