引用元:wikipedia |
今年は Franz Liszt (リスト)の生誕200年。
何を聴こう?
何が良いかな?
某月某日某所・・・文筆家・ピアニスト・ドビュッシー研究家の青柳いづみこさんの出版記念パーティー3次会(このときの詳しい様子は別の機会に…)。
「ABMの録音で何が一番好きですか?」(いかにもという質問ですね)と尋ねた。
「リストのピアノ協奏曲。ジュネーヴで優勝したときの実況録音よ」と、お湯割芋焼酎片手に。
「それとドビュッシーの映像(DG)」。
というわけで、ABMが19歳で Geneva International Music Competition に優勝したときの録音を聴いてみた。これが私の元旦聴き初め。皆さんは?
ARKADIA HP624.1 Suisse Romande Orchestra-Comductor:ERNEST ANSERMET |
冒頭1秒聴いて、おやっ?1939年にしては随分音が良いな。ピアノソロ数小節を聴いてとても19歳とは思えない音楽で演奏だな。何だか「老けた」感じ…と、私は聴く度にいつも感じる。それもそうなんです。だって変なCDなんですよ。これ!
interpreted by A. Benedetti Michelangeli under the direction of Rafael Kubelik with the RAI Orchestra of Turin in 1961, have been inserted.
ほとんどの録音は冒頭が欠損したまま「オリジナルな形」で市場に出回る中、大胆な編集をするな~って妙なところも感心。私はその気持ちはわからないでもないですが。笑
「そこには、イタリア・オペラの歌手のように歌いまくるミケランジェリがいた。のっけから熱に浮かされたようなルバート(テンポを揺らす奏法)で、目にも止まらない速いパッセージのあと、ふっと手をとめて永遠につづくかと思うような休符を入れる…クラリネットとのかけあいのカンティレーナ(叙情的な旋律)などもう身も世にあらぬといった風情…」
「連打もトレモロも超高精度、プレスト前は鉄砲水のようで、ラストのオクターヴの連続など、オーケストラを置いてきぼりにしてものすごいスピードでおしまくる。聴衆も興奮の極みに達し、コンクールだということも忘れて…嵐のような喝采をあびせている」
引用元:青柳いづみこ著『ピアニストが見たピアニスト―名演奏家の秘密とは―』(白水社)から
その場にタイムスリップしたような感覚に陥る以上に、私など文章を読んだだけでとろけてしまう気もする。つまり、そのような音楽がそのような演奏でその場で奏でられていたということ。三位一体のすごい文章だと思う。
それにしてもなぜ冒頭部分がないのだろうか?
ご存知の方教えてください。
ABMって誰?という方もいらっしゃるでしょう。ミサイルではありません。
Arturo Benedetti Michelangeli (アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ)です。
このコンクールで当時審査委員長だった Alfred Cortot (アルフレッド・コルトー)から「新しいリストが登場した」と賞賛されたことは有名なエピソード。ABMは難関で知られるこのコンクールのレヴェルを最初に決めた人。ピアニストの「役割」を変えてしまった人。そして「こんなに可哀相な人もいない」という人。だって優勝後2ヵ月で世界大戦勃発。従軍。人間関係…。
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お引越しおめでとうございます♪
返信削除ショパンの次はリストと思いつつも、今までリストはあまり聴いてこなかったなぁ、何を聴こう、誰のを聴こうと、ちょっと考えていたところでした。
ミケランジェリを軸に聴いてみようと思います。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
りゅうさん
返信削除有難うございます
>ミケランジェリを軸に聴いてみようと思います。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
うーん…これはチョット…というのも
ABMは「1番の協奏曲」と「死の舞踏」くらいしか
録音では残っておりませんので…(-_-;)