美容院にあったBach Cello;Bruno Cocset(Alpha029) |
髪の毛を切りに行った。
Bossa Nova 好きの美容院オーナーWさんはClassical Music もときどき聴く。
特にBach (バッハ)が好みらしい。
以前切ってもらったときはWさんお気に入りのGidon Kremer (クレーメル)が弾く無伴奏がBGMになったりした。急ぎの用件があって定刻より早めに開店してくれた日曜日の朝。
「若い子(スタッフ)がまだ来ていないので好きなのが聴けるんです」
白基調のシンプルでお洒落な空間に響きわたるヴァイオリンはなるほど心地良い。
いつものBossa Nova とは違って教会にいるような気分。ちょっぴり日曜礼拝的だ。
「この前こんなバッハのチェロ組曲を買ってきたんですよ」といって見せてくれた。
…おお!これはM社のK氏のところのモノではないか?
プラスティックの塊であるCDに美意識高い手作業を施しパッケージ自体をアートの領域にしてしまう欧州のレーベル。その感覚美を一切劣化させることなく博学な知識と丁寧な動きで市場に届けるK氏を私は密かに尊敬している。先日もお世話になったのにも関わらず、きちんと御礼もせず申し訳ありませんでした。
でも、こうやって予期せぬ場所と意外な人を介して出会えるのは嬉しい。
「…へえ良いセンスしていますね」と私。
聞くところによると、いつも通う池袋のH店で購入されたらしい。選ぶ対象が他にもあって、しかもこのCDは試聴もできなかったけどジャケットや雰囲気に惹かれて手にしたという。WさんはCD到来時代はジャケットの質感が好きでむしろLP派だったが、そのうち扱いが面倒になり気づけば時流に逆らえずCDに。50歳代には全く見えないアウトドアや旅行大好きのオーナーは「でも、そこ閉店するんですってね」「どこで買えば良いのだろう?」「ネットですかね」…と寂しげで戸惑い気味だった。
「そういえば秋葉原のIも撤退しますね」と私。
この日常風景からイノヴェーションすべきことは多くある。
かつてCDがLPを上書きしたような一つのアイテムがプラットフォーム化する時代ではなくなってきている。ただ、今後数年間マーケットの中心に明らかになろうとしている「媒体」「サーヴィス」がある。早く着手しなければならない。最終列車に乗り遅れなければ良いが…
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