2011年1月27日木曜日

「Mahler なんて私はまっぴらごめん。」 没後100年記念 1/3

Klaus Umbach 著
『異端のマエストロ チェリビダッケ』(音楽之友社)


「…彼は頭が混乱していました―足と手のあるサナダムシ。(略)―人非人。交響曲第五番の第1楽章を理解したというならば、嘘つきだ―ほら吹き。マーラーなんて私はまっぴらごめん。」

引用元:Klaus Umbach (K.ウムバッハ)著 斉藤純一郎、カールステン・井口俊子訳『異端のマエストロ チェリビダッケ』(音楽之友社)より


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私は特段なSergiu Celibidache (S.チェリビダッケ)1912-1996 信奉者ではありません。
ただ、氏の格別な能力と、氏が創造的再現した世界に度肝を抜かれたことがあります。
それは「素晴らしい」という賛辞を超越した、まさに有無を言わさない特別な音楽体験。
超越した「特別な音楽体験」は、実はマーラーの音楽そのものでもあります。
チェリ師のこの言葉は、毒をもって毒を制す…というか解毒させたというべきか。
私にとっては当意即妙。膝を打つ部分はあります。が、
人間臭い精神世界を表現したマーラーの音楽を聴くことは、妙に楽しいことでもあります。

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